料金・機能・メリットデメリットなど総合的に比較!
企業の受付業務を無人化・自動化し業務効率化を目指す「受付システム」をご存じですか?
無人受付システムは、受付業務のみならず、企業の業務全体の効率化に繋がります。
本記事では、受付システムの基本機能や料金、おすすめの受付システムをご紹介します。従来の受付形態よりもメリットはあるのか?という視点でも解説しますので、ぜひ検討の参考にしてください。
⇒目次
- 1. 受付システムとは
- 基本的な機能
- 料金相場
- そのほか便利機能
- 2.従来の受付業務との違い
- 3. 企業に受付システムを導入するメリットとデメリット
- 4. 従来との違い
~受付業務を①内線電話②受付システムが行う場合の比較~
- 5. どれが自社に向いてるか?おすすめ受付システムのご紹介
- 安くてシンプルな機能の受付システム3選
- 高機能で便利な受付システム3選
- 定番の受付システム3選
- 無料トライアルがある受付システム3選
まとめ:企業に受付システムを導入し、業務効率化しましょう!
1. 受付システムとは
受付システムとは、従来、受付カウンターに人を配置して行っていた受付業務を、代わりにiPadやロボットを配置し、“無人”で受付業務を行う仕組みです。
受付システムを導入すると、内線電話で取次をしたり担当者を探したりする必要はありません。結果、受付業務の改善および効率化のみならず、従業員の主力業務効率化にもつながります。
受付方法はさまざまですが、例えばQRコード等を使いタッチレスで受付をします。同時にチャットツール等で担当者へ通知がいき、来訪者と面会することができます。従来よりも“迅速”かつ“効率的”に面会できることが受付システムの特長です。
受付システム利用の背景
背景には、テレワーク普及率が低く、直接企業に出向く割合が多いことが挙げられます。 内閣府の最新の調査によると、日本のテレワーク普及率はほか先進国に比べ特に低いことがわかります(図表1)。
原因は「テレワークのための社内ルールや制度が整っていないため、テレワークの実施が困難」であることが多く挙げられています。
図表1 テレワークの利用状況(国別)
(出典)総務省(2022)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」14 年齢別にみると20歳代の若い世代以外の世代では、テレワーク利用に積極的ではないことが分かります(図表2)。 図表2 テレワークの利用状況(日本・年代別) |
(出典)総務省(2022)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」14
つまり日本企業の働き方は、PCを通じた業務形態より、実際にオフィスに出勤したり取引先企業を訪問したりといった形態が半数以上を占めているという事です。効率的な受付サービスを提供する受付システムは、現在の日本企業において業務の効率化に貢献しており、導入企業が増えています。
基本的な機能
受付システムには主に以下の機能があります。
- 来訪者受付
- 通知
- 来訪者の日程調整・会議室予約
- 来訪者情報登録・履歴管理
簡単に解説していきます。
1.来訪者受付
来評者は、事前に送られている受付コードやQRコードを受付システムに入力します。もしくはかざすだけで受付完了。電話接触せず非接触・タッチレスの受付が可能です。
AI機能搭載の顔認証や音声認証が利用できる受付システムでは、本人かどうか確認できセキュリティ面が安心です。
2.通知
担当者の携帯電話やチャットツールに、来訪を通知する機能です。直接的に来訪を知ることができ迅速な対応が可能です。
通知ツールは、自社がすでに利用しているチャットツール等あればそのまま活用できます。ほか、電話・SMS・メール・連携のチャットツール(さまざまなツールがあります※1)・専用アプリなどがあります。
シンプルに電話+SMSだけの利用なら、全従業員が周知・利用がしやすいというメリットがあります。
※1 連携のチャットツール例・・・Slack、Chatwork、Teams、LINEWORKS、Wowtalk等。
3. 来訪者の日程調整・会議室予約
受付、通知機能に加えて予約機能がある受付システムでは、受付機能にとどまらず、「受付業務全体」を網羅し自動化します。
カレンダーツール(※2)と連携することで、日程調整の際カレンダー上の仮押さえ・登録、会議室予約、WEB会議URL発行、来訪者宛の招待コードの発行などができます。次回アポの取り忘れや人的な重複予約ミス防止を減らすために活用できます。
※2 連携のカレンダーツール例・・・GoogleカレンダーやOutlookカレンダー等。
4.来訪者情報登録・履歴管理
企業に来訪した人の情報を一元管理できる機能です。具体的には来訪者の氏名等の情報や、訪問日時や予約状況など。
動画撮影機能があれば訪問動画を残しておくことができセキュリティ面を強化できます。
来訪者履歴から、来訪者の必要な情報を検索できたり、訪問頻度を分析して営業活動に役立てたりすることもできます。
料金相場
受付システム導入にかかる初期費用・月額費用については一覧表をご覧ください。
≪主な受付システム 料金一覧≫
受付システム種類とサービス | 初期費用 | 月額料金 | 端末別の特徴 | ||
タブレット型 | iPad | アイタッチ | 0円~ | 3,300円~ | 〇シンプル 〇手軽に導入しやすい 〇狭い場所でも設置可 〇既に保有の場合、別途端末を用意する必要がない |
らいきゃくん | 0円~ | 3,300円~ | |||
RECEPTIONIST | 0円~ | 5,500円~ | |||
Smart at Reception | 0円~ | 20,000円~ | |||
専用タブレット | More Reception | 要問合せ | 0円~ (利用開始から 3年間) | ||
AI型 | ロボット | SERAPIS | 要問合せ | 14,300円~ | 〇音声認証や顔認証で企業アピール 〇ユニークさ・印象が強い 〇セキュリティ強化 |
unibo | 239,800円~ | 22,000円~ | |||
ディスプレイ | 受付さくらさん AIkotoba CHELULU Dyna Reception | 要問合せ | 要問合せ | ||
タブレット | アイウェルコ | 99,550円~ | 11,000円~ | ||
おくだけレセプション | 197,560円~ | 11,000円~ |
受付システムは、タブレット型(iPad端末・専用タブレット端末)、AI型(ロボット端末・ディスプレイ・タブレット端末)に分類できます。
タブレット型は初期費用0円~など比較的手軽に導入しやすい価格であることが多く、AI型は顔認証や音声認証機能など高機能・高セキュリティである反面、価格が高くなる傾向にあります
≪初期費用とは?≫
導入には、端末・設置工事・ネットワーク回線工事などが含まれます。導入の際は下記の費用項目も考慮し、予算に見合う受付システムを選びます。
- 既存の端末が使えるか?
- 必要な端末台数(企業規模、一日の来訪者数によって異なるため)
- レンタルやリース、サブスクプランの活用
受付システム「アイタッチ」は、リースプラン、レンタルプランが充実、無料トライアルもあります。ニーズに合ったプランで手軽に導入することができます。
そのほか便利機能
基本機能をおさえたところで少し箸休め。あると便利な「カスタマイズ機能」のご紹介です。
・「ウェルカムメッセージ」表示・・・温かいおもてなしの心を表現できる
・タッチ画面の変更・・・来訪者の年代、自社の好みに合わせ待ち受け画面レイアウトやボタンを使いやすいように仕様変更できる
・英語表記・・・海外の来訪者にとっても使いやすく利便性向上
・動画再生・・・企業のCMを流して製品やサービスのPR
来訪者にとって、温かい出迎え、操作面での使いやすさは企業イメージ向上に繋がります。他社との差別化を図るためには動画再生機能を活用すると効果的です。
従来の受付業務との違い
企業に受付システムを導入するメリットとデメリット
メリットは以下の7つです。
・受付業務効率化
・人件費削減
・従業員の生産性向上
・かんたんに来訪者情報管理
・企業イメージアップ
・他社との差別化
・企業DX化による企業競争力強化
順に簡単に解説します。
1.受付業務効率化
受付システムを導入すると来訪者の取次ぎがスムーズになり、来訪者を長時間待たせず早い段階でご案内することができます。
当日は入館記録の記入や入館証のお渡しが無く、来訪者の限られた時間を有効に使った効率的な受付が可能です。前日の顧客情報準備は必要なく、ペーパーレス化にも貢献します。
2.人件費削減
受付を無人化=受付カウンターに担当者は不要です。その分人件費が削減できます。低コストで受付システムを導入すると、人件費に対する費用対効果も問題ありません。
3.従業員の生産性向上
受付システムを導入することにより、総務にかかっていた受付対応の負担を減らします。
受付人員の指導育成に時間を割いたり、内線電話取次ぎの度に業務中断したりする必要はありません。
従業員は業務に集中して取り組むことができ、結果的に生産性向上に寄与します。
4.かんたんに来訪者情報管理
受付システムでは、来訪者情報はクラウド上で全てのデータが保存され、紙媒体より短時間で検索ができます。データを置くスペースも必要ありません。
来訪者情報管理機能により、来訪予定、顧客概要、来訪履歴などが容易に分かるため、スケジュール管理がしやすく効率的に仕事を進めることができます。
そして日程調整機能により、予約に関する人的ミス(ダブルブッキング、予約漏れなど)を防ぐことができます。
5.企業イメージアップ
受付システムを導入することで企業DX化への取組や先進的な設備をいち早く導入する情報認知のスピード性など、企業ブランド力をアピールでき良い企業イメージを来訪者に与えます。
6.他社との差別化
「受付システム」という最新技術を持つ設備の導入効果で、企業アピールになり他社と差別化することができます。IT関連の企業なら、なおさら戦略の一環として活用できます。
他社との差別化を図る中、新規顧客獲得の機会が増える可能性があります。従来、受付対応に時間がとられ、新規顧客に対して満足度の高い対応ができなかったかもしれません。
受付システムは直接的に担当者へ来訪通知がいくため、会議中や来客中であってもすぐに別の担当者が対応できるなど、柔軟で素早い来客対応が可能です。来訪者を待たせない分、質の高い顧客対応をすることができます。
7.企業DX化による企業競争力強化
近年、企業競争の中で優位に立つ手段として企業DX化(=商材や事業プロセスのデジタル化)推進が挙げられますが、その手法として受付システムを導入する企業が増えています。
≪DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?≫ 経済産業省は、令和4年9月に発表した「デジタルガバナンス・コード2.0(注1)」において、DXを下記のように定義しています。 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」 つまりDX化とは、今ある課題を、最新技術を活用して解決に導くとともに、新たに顧客満足度の高いサービスを生み出し、企業競争力を維持・獲得・強化することが最終目標と言えます。 ※DX化の例 ▷ 自動車の所有 ⇒ カーシェアリングへと移行 ▷ 現金決済 ⇒ キャッシュレス決済・アプリ ▷ DVD販売 ⇒ ストリーミング配信 ▷ 有人レジ ⇒ セルフレジの導入 など |
注1:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
導入検討の際、損失を防ぐためデメリットもおさえておくことが大切です。
デメリットは以下の3つです。
・初期費用・月額費用、その他オプション費用がかかる
・システムエラーの可能性
・無人化・自動化を好まない人もいる
順に簡単に解説します。
初期費用・月額費用、その他オプション費用がかかる
導入費用を抑えるためには、自社で既に利用しているタブレット端末を受付システムに活用できるタイプを選ぶと効果的です。
さらに継続利用するため、自社にとって必要な機能が予算内で収まるか、という“費用と機能のバランス”の検討が必要です。
例えば・・・
- 「受付・通知機能」のみ ⇒ 誰でも使いやすくシンプルに、低価格で利用できる
- 「通知機能・カスタマイズ機能・顧客情報管理機能・日程調整機能・会議室予約機能」などの機能をフル活用 ⇒ 機能と費用が比例して増える場合が多い、受付業務を全て自動化し網羅できる
- 「AI」を使ったユニークで印象強いロボット受付システム ⇒ 比較的高価格、顔認証を使いセキュリティ面を強化した受付に
受付システムの機能はさまざまです。 “費用と機能のバランス”のとれた、自社に合う受付システムを選択します。
導入の予算を検討する際は、初期費用や月額費用が安く抑えられる場合は多いですが、オプションが高くつく場合がありますので注意が必要です。
システムエラーの可能性
受付システムは機械である以上、エラーが起こる可能性があります。
来訪者を待たせてしまう、受付が混雑し従業員が業務を中断しなければならない、などは企業イメージダウンや機会損失につながる可能性があります。
導入の際は、システムエラー時のアフターフォローやメンテナンスの体制を確認しておくことが大切です。導入実績のある製造元においてはアフターフォロー体制がしっかりしている場合が多いです。
≪システムエラーの対応策≫ ・エラー時の製造元の対応を確認 (電話ですぐに来てくれるのか、メールでの修理対応なのか等) ・エラー時、社内ですぐに対応できるようマニュアルを作成し社内で周知 |
無人化・自動化を好まない人もいる
おもてなしを重視する旅館やホテル等、人対人の対話が企業評価を左右する場合や、機械が苦手な来訪者にとって、無人受付システムは不向きと思われがちです。
しかしそうではありません。前述した「カスタマイズ機能」内の“ウェルカムメッセージ”を活用し、温かいメッセージでおもてなしの心を伝えることが可能です。もしくは無人受付システム+受付担当者の併用で、効率的な受付業務+丁寧なおもてなしを来訪者にご提供することで、解決することができます。
機械が苦手な人に対しては、同じく「カスタマイズ機能」内の“タッチ画面レイアウト”を使い、ボタンの大きさ、50音順、英語表記、などに変え、来訪者ごとに誰でも操作しやすい受付システムにカスタムできます。
従来との違い
~受付業務を①内線電話②受付システムが行う場合の比較~
では実際に、実務にどれくらいの差が出るか?来訪者がこられ、担当者と面会するまでの受付業務にかかる「時間とコスト差」を検証してみました。結果は以下の表をご覧ください。
- 内線電話を使った受付業務にかかる「時間とコスト」
- 受付システムを使った受付業務にかかる「時間とコスト」
≪従来との違い~受付業務を①内線電話②受付システムが行う場合の比較~≫
| ① 内線電話 | ② 受付システム | 比較結果 |
時間 | 約4~5分 | およそ1分以内 | 受付システムの方が早い |
コスト | ① 機器リース費 (電話・配線工事など) 月額約10万円~30万円台 ② 備品費 (用紙・入館証など) 月額約5千円~ ③ 人件費 (給与・福利厚生費など) 月額約20万円~ | ① 初期費用 (端末費用・回線工事・設定費用など) 0円~が多い ② 月額費用 月額約3,300円~など、様々 | 受付システムの方が低コスト |
内線電話のデメリットとして、受付担当者による内線取次ぎやご案内が必要で担当者が電話中・不在・来客対応中だとさらに時間がかかること、企業規模が大きく電話機が複数台必要な場合はコスト負担が増えることが挙げられます。
対して受付システムは、担当者不在時などの対応として“別の担当者にも来訪通知が届く”通知機能があることが最大のメリットです。そのため、来訪者を待たせず丁寧で素早い対応がとれ、企業イメージの向上にも寄与します。
受付システムが実務において、受付業務の時間効率をアップさせ、コスト面を抑えることができることがお分かりいただけたでしょうか?
総務における多岐に渡る業務改善にぜひ「受付システム」を有効活用しましょう!